学校歯科健康診断と歯科医師の検査、どう違う?

学校歯科健康診断とは、学校で行う集団健康診断で、平成7年以前は病気が見つかったお子さんにだけ結果をお知らせしていましたが、現在は「学校保健安全法施行規則」の改訂をへて、全員に結果を通知することになっています。学校歯科健康診断では、3つに分けて選別をしていきます。「異常なし」「定期的観察が必要」「歯科医師による診断が必要」。

「学校で、歯医者さんが診るのになぜ改めて歯科医院の診断が必要なの?」と思う方も多いと思います。学校歯科健康診断は、病気の確定診断ではなくお口の健康状態を診て経過観察でよいか、治療の必要があるかといった診断になり確定診断には、歯科医院の精密な検査が必要になります。

結果のお知らせを読んでみよう!

お知らせには3つの項目があり、1つ目は「特に問題は見つからなかった」。ここに〇があるお子さんは、今の状態を維持して頂きたいと思います。2つ目の「軽い問題があり観察が必要」のお子さんは、むし歯になりそうな歯(CO、初期むし歯)や軽い歯肉炎、歯磨き不足、または嚙み合わせ不良がいくらかあります。すぐに治療は必要ないですが、放置すると進行してしまう問題を抱えています。かかりつけの歯科医院で定期的に歯磨き指導やクリーニング、フッ素塗布などを受け、症状が悪化しないように経過観察ができると安心です。3つ目は「歯科医師による精密検査と診断、適切な治療、相談が必要」の場合、用紙を持参し歯科医院への受診をおすすめします。

学校歯科独特の言葉「CO」「GO」って?

「CO」とは、視診では明らかなむし歯の穴は確認できないけれど、初期むし歯の特徴、白濁、白斑、褐色斑(着色)が認められ、放置すると削る必要なむし歯に進行すると考えられる「要観察歯」のこと。「GO」とは、軽度の歯周病、歯磨きを丁寧にすれば治る歯茎の炎症のことです。

COの歯は、フッ素の入った歯磨き剤で丁寧に歯磨きをし、食事や間食(特に甘いもの)をダラダラ摂らないようにすると、実は多くの場合進行を止めることができます。そこで学校歯科では、「今後削って詰める治療が必要にならないように、今のうちに生活習慣を変え、この歯を注意深く守っていきましょう!」という意図でお子さんと保護者に向けて「COがありますよ」と通知しています。

歯の病気のリスクは人生のステージで変化します。

生えたばかりの永久歯はエナメル質がまだ柔らかくむし歯になりやすい10代。これをやり過ごせば安心ではありますが、その後も進学、就職、出産など歯の健康を損ねやすいステージがあります。生活の変化や人生の荒波に出くわしてもその波を乗り越える力を身につけ、卒業してからもずっと歯を大切にして、生涯よいお口で過ごしていってください。