食事前に行う唾液腺マッサージ
唾液は、食べ物をきちんと飲み込むために必要不可欠なものです。お口の中を洗浄したり、異物を流したりする効果もあります。唾液は唾液線と言う巨大な分泌先から分泌されます。ところが、加齢とともに唾液が出にくくなり、お口の中が乾きやすくなります。加齢による自然な衰えだけでなく、噛む回数の減少や味覚が鈍感になることも要因となります。また、ストレス方や、緊張などで交感神経が活発な時にも出にくくなります。
さらに、服用する薬の副作用の場合もあります。高血圧症や骨粗しょう症の薬、睡眠導入剤、精神安定剤、抗うつ剤、胃腸薬などはお口が乾きやすくなります。唾液が出にくいと感じたら、唾液腺マッサージをしてみましょう。唾液腺は顔の周りの3カ所にあります。耳たぶのやや前方で上の奥歯あたりにある耳下腺、アゴの尖った部分の内側の真ん中あたり、ちょうど下の付け根の部分にある舌下腺、顎の骨の内側の柔らかい部分にある顎下腺です。食事の前に水分を多めに取ってから、これらの唾液腺をマッサージするのです。唾液が多く分泌されれば、その後の食事も美味しく食べることができます。唾液腺マッサージは食事の前の習慣にして、継続して行うことが大切です。
唾液腺マッサージと並行して、普段の生活の中でもよく噛み、よく話すなど、お口をしっかり使い、自然と唾液が出るように心がけてください。なおシェーグレン症候群と言う唾液が出にくくなる病気もありますので、ひどい場合や改善しない場合は医師の診療と治療が必要です。また子供は唾液分泌量の多いものですが鼻炎や口呼吸によって口が渇く場合があります。そうした訴えがある場合は医師や歯科医師の診察を受けましょう。
定期的に歯科検診を受けましょう
歯科検診をおろそかにして40歳代から放置されてきたお口の中は、驚くほど環境が悪化しているといいます。40~50歳代からオーラルフレイルが始まるとも言われており、その時になって悔やむ人が非常に多いのです。高齢者の場合も歯科検診は重要です。何年も前に作った義歯が合わなくなっているのに使い続けている人も多いですし、食べこぼしや噛みにくさを感じているのに歳のせいだと放置している人も見受けられます。ちょっとした不調でわざわざ歯科に行くのは億劫だと思いがちですが、定期的に歯科に行く習慣があればついでに相談ができるのです。お口の健康を最優先事項だと捉え、自分で自分の口を守りましょう。