むし歯になるからと、甘いお菓子やお砂糖が入ったお菓子など、全部ダメ…。それでいいでしょうか。子どもはいつか独り立ちします。親の手を離れたときに、初めて「蜜の味を知る」というのでは困ります。中学生、高校生になってからの食生活は、子どものうちの生活で決まるのです。じゃあ、どうしたらいいでしょう。歯磨きをさせる。それも大事です。でも、歯磨きだけではむし歯は防げません。やっぱり食べ物の選び方と、食べ方を身につけることですね。だらだら食べてない。寝る前に食べない。そして同じ糖分を含んだ食品でも、むし歯になりやすいかどうか、ちょっと考えるようにするといいですね。

ミュータンス菌などの細菌が、食品の糖を代謝してネバネバのプラークをつくって唾液の防禦を阻み、その中で強い酸をつくって長時間エナメル質に作用すると、むし歯を生じます。ですから、ある食品がむし歯をつくりやすいかどうかは、①プラークをつくる力、②酸をつくる力の強さと、③食べている時間、④食べ終わっても口の中に残って作用する時間の長さによって決まります。お菓子が、むし歯を引き起こしやすいかどうか、これを「う蝕誘発能」と呼びます。砂糖が入っていなくても、炭水化物が長く口の中に残りやすいものは、う蝕誘発能が高くなるので、むし歯をつくりやすいのです。

「飲食物による酸蝕と唾液」

レモンやミカンなどの柑橘類の酸性が強いことはよく知られていますが、清涼飲料水が、その以上に強い酸性飲料であることは意外に知られていません。たとえば、コーラのpHは2.2、栄養ドリンクは2.9とほとんど強酸です。コーラを入れたコップは抜歯した歯を漬けておくと数日で溶けてしまいます。清涼飲料水や柑橘類を長時間口に含んでいる人の歯は、酸によって表面が溶けてしまうことがあります。(酸蝕症)。ただ、これほど強い酸性の飲料でも、普通に飲んでいるだけなら、大きな害はありません。唾液が歯を守ってくれるからです。歯の表面は常に唾液に覆われています。歯は唾液の海の中にあるといってもいい状態です。そしてすっぱい飲み物を口にした途端、大量の唾液が分泌されます。この刺激唾液は、酸を中和する能力が高いといわれています。このため、飲み物を長時間口に含んでいるような異常な飲み方をしない限り、コップの中の歯のように溶けてしまうことはありません。ただし、酸性の刺激の強いお菓子や飲料を絶えず口に入れていると、歯は溶けてしまいます。