虫歯と歯周病があるときのインプラント治療は虫歯すべてを完治させてからインプラント治療を始めることもありますが、長い期間が必要な場合には、 まずインプラントを埋入してしまい、 インプラントが定着するまでの時間を利用して他の虫歯を治療していく方法がとられることも多いです。

しかしながら歯周病については併行すべきではな い、 という考えが主流です。
多くの場合、歯周病が治癒しないままインプラント治療を始めるべきでは ありません。インプラントを埋入しても天然の歯と同様に歯周病と同じ病態 が起こることがあります(歯→インプラントとなるため、歯周炎→インプラ ント周囲炎と呼ばれています)。
重度の歯周炎に罹患している口の中の環境では、 インプラントもインプラント周囲炎になりやすくなることは容易に想像できると思います。 歯周病は、口の中で繁殖する細菌を除去することで治りますが、その方法としては、次の2つが重要といわれています。
(1) 自分がブラッシングによって細菌のかたまり(プラーク)を除去できるようになる(良好なプラークコントロール)
(2) 定期的に歯科医院でバイオフィルムを除去する

歯周病治療は歯磨き指導から始める
初診からインプラント治療を始めるまでには、まず歯周病の治療をしていただく必要があります。歯周病治療は歯磨き指導から開始されま す。
初診の時点で上手に歯磨き=プラークコントロールができている患者さんの場合は、 この歯磨き指導にはさほど期間を要しないでしょう。 しかしながら、歯磨きに問題がある場合は、改善されるまで歯磨き指導を受けていただく必要があります。
「歯磨き」については、歯科医師や歯科衛生士といった歯科医療従事者と、一般の患者さんとの間に認識の違いがあることがあります。一般の患者さんは「歯磨き」はエチケットとしての口臭予防や自分の不快感の解消を目的とされていることが多いと思います。
しかし、歯科医学的には歯磨きを「細菌を物理的に取り除くための手段」 と考えています。すなわち、 きちんとした歯磨きができるということは口の中の細菌が取り除くことができる、 ということです。