フッ素は自然界に広く存在する天然成分で、身近な食品、例えばお茶、海藻、魚介類などに多く含まれます。WHO(世界保健機関)やFAO(国際連合食料農業機関)が、歯の健康に有効と認めて虫歯予防の為に世界中で積極的に使われています。
それでは虫歯予防の為にフッ素はどんな働きをするのでしょうか。大きく分けて3つあります。
① 唾液の中に溶けだした歯の成分、カルシウムとリン酸が歯に取り込まれやすくなり、歯が修復されるスピードが増して、修復される量も多くなります。
② フッ素には抗菌作用があるので、虫歯菌の活動を抑える働きをします。
③ フッ素と一緒に修復された歯の結晶は、もとの歯よりも硬い結晶になるため虫歯になりにくい丈夫な歯になります。
フッ素の3大効果は、適切な濃度がお口の中に長く保たれるほど発揮されます。フッ素配合歯磨き剤には、こうした効果が発揮されやすい適切な濃度が配合されています。
ところで日本ではこれまで歯磨き剤は1000ppmF以下のフッ素濃度と定められていましたが、2017年3月に国際基準(ISO)にのっとった、より効果の高い1500ppmFの配合がみとめられました。予防先進国のスウェーデンをはじめとする諸外国の歯磨き剤と同じ濃度です。さっそく国際基準の高濃度フッ素配合製品が販売されていますので手にしてみてくださいね。
では毎日お使いいただいている歯磨き剤は実際どの程度虫歯予防に効いているのでしょう?知りたいですよね。
現在フッ素配合の歯磨き剤のシェアは、約90%でほとんどのかたがフッ素配合歯磨き剤をお使いになっています。つまりとくに予防を意識していないかたでもほとんどのかたが使われています。1980年代に発売された当初はフッ素配合歯磨き剤のシェアは10%ほどで、虫歯の本数は当時一人あたり4~5本ほどありました。現在は、一人あたり1本あるかどうかまで本数が変化していることが調査してわかりました。フッ素配合歯磨き剤のシェアを伸ばすにつれて、虫歯の本数が激減してきています。こうした現象は日本に限らず世界各国で起きています。また認可され販売がはじまったフッ素1450ppmFの高濃度フッ素配合歯磨き剤が普及することで虫歯本数はさらに減少することが予測され今後の推移が楽しみです。
1450ppmFのフッ素の使用基準は国の方針によってさまざまです。高濃度フッ素配合製品は、子供にも使える?ということも気になるところです。日本では歯の形成期である6歳未満は過剰のフッ素を継続的に摂取するとエナメル質の形成が阻害されそのことから6歳未満の使用はお控えいただくように基準を設けています。その他の年齢別の歯磨き剤の使用量は6歳以上~15歳未満のかたは1cm。15歳以上のかたは2cmと定められています。