赤ちゃんや幼いお子さんの歯みがきでは、両親、とくにお母さんの役割が大切です。何でも口にもっていく時期(生後3か月半を過ぎたころ)には、歯ブラシもおもちゃになります。しかし、白い前歯が顔を見せるころになって、無理やり歯ブラシを入れようとすると赤ちゃんは嫌がります。無理に歯ぐきをゴシゴシやると、赤ちゃんは泣きだしてしまうかもしれません。

そこで乳幼児の歯みがきについて、お母さんに効果的な方法を覚えてもらわなければなりません。年齢に応じた歯の磨き方があります。お子さんの歯みがきには、フォーンズ法(描円法)という特別な磨き方がありますし、乳歯の生え方によっても磨くときの注意があります。熟練した歯科衛生士は、お母さんがどれくらい上手に子供の歯みがきをしているかに気を配ります。歯科衛生士の「コーチ」を受ければ、だれでも乳幼児の適切な歯みがきができるようになります。乳幼児のお口の健康(口腔衛生)は、お母さんの協力なしにはできません。お子さんのお口の健康はお母さん次第です。

0歳からの口腔衛生に取り組む歯科医院で、お子さんの歯を定期的に診てもらい、歯科衛生士さんから歯の状態に応じた磨き方を教えてもらうのが一番です。むし歯のリスクが高い場合には、歯と歯の間にフロスを使うのが、効果的です。家庭でのフロッシングの仕方を教えてもらうと良いかもしれません。

フッ化物はむし歯予防の最も有力な武器

フッ化物がむし歯の予防に大きな効果を持っていることは、数々の科学的データから疑いがありません。

米国やオーストラリアでは、多くの自治体が水道水にフッ化物を添加しているので、子どもたちはフッ化物を含む加工食品や飲料水を通じてフッ化物をたくさん摂取しています。このため、このような国ではフッ化物の摂りすぎの危険がありますので、保護者は使用する歯磨き剤の量を気にします。6歳以下の子どもの場合、のみ込まれる歯磨き剤を制限するには豆粒大(約1.4グラム)の使用が有効であり、これでフッ化物過剰摂取の危険は大幅に減少します。米国では1991年以来、フッ化物入り歯磨き粉の製造業者はこの点をラベルに記載するようになり、さらに94年には、2歳以下の子どもにフッ化物入り歯磨き粉を使わせる場合、前もって医師や歯科医師に相談するように推奨されています。

フッ化物入りのジェルや塗布剤など、専門家によって再石灰化療法に使用される製品はフッ化物の濃度が高く、歯のエナメル質の表面にフッ化カルシウムの層をつくります。むし歯によって酸ができると、このフッ化カルシウムが歯垢(プラーク)の中に溶け出し、部分的に脱灰されたエナメル質を再石灰化するとともに、むし歯菌の代謝機能に影響してむし歯を予防します。

低濃度のフッ化物は、歯の耐酸性を高めるだけでなく、虫歯菌が糖を酸に変えるのを阻害したり、その代謝機能に影響を与えている可能性があります。