口臭について
口臭は多かれ少なかれ誰にでもあります。自分で気づくことは少ないですが、健康な人にも軽い口臭がありこれを「生理的口臭」とよんでいます。
また①食べ物などが原因の口臭、②からだ(胃腸、肝臓など)の病気が原因の口臭、③歯周病など口のなかの病気が原因の口臭です。
②③の口臭が不快感が強く③歯周病など口のなかの病気が一番多い原因とされています。つまりほとんどの口臭は歯科治療とセルフケアで治せるということです。
攻撃的な臭いの正体は細菌が出の出す揮発性の有毒ガス、硫黄化合物なんです!
なかでも代表格は、硫化水素(卵が腐ったような臭い)、メチルメルカプタン(魚や玉ねぎが腐ったような臭い)、そしてジメチルサルファイド(生ゴミのような臭い)で、それぞれに特有の強い臭いがあります。
ではなぜこんな悪臭がお口で作られるのでしょう。じつはこれらのガスを作るのは口のなかの細菌で、なかでも歯周病菌はタンパク質を分解する酵素をもっておりその酵素でタンパク質を分解して揮発性ガスを発生させるというわけです。歯周病が進むと、粘膜や老廃物が大好きな歯周病菌は、歯と歯ぐきのあいだの溝だけでなく、老廃物が積もる舌にも住み着き、舌苔から強い臭いを発するようになります。臭いのもとを断つには、まずは歯周病の治療から。歯周病のお口には歯と歯ぐきのあいだの溝(歯周ポケット)に歯周病菌の巣があり、細菌が繁殖しています。歯みがきで歯の表面がピカピカになっても歯周ポケットの奥に隠れた細菌は舌の上にも細菌が供給され、揮発性ガスを発生させます。舌苔はデコボコしていて汚れがつきやすく、細菌にとっては居心地のいい場所です。舌苔が口臭の原因だからといくら舌の掃除をしても、おおもとの歯周病を治さないままでは、細菌が次々供給されるので揮発性ガスは出続けます。お口から出るガスは濃度が低いので心配はありませんが、気づかないままずっとお口の中に有毒ガスを発生させる細菌の巣を温存していては、からだにいいわけがありません。現在では歯周病はからだの病気にも影響していることがわかっています。「しばらく歯石を取ってい」ない方「歯みがきをすると歯ぐきから血がでる」方、など少しでも気がかりがある方はもちろん、自分はこれらに当てはまらない方は歯周病にならないように、歯科医院で診てもらいましょう。
口臭予防は、お口とからだの健康を守る究極の健康管理法です。
歯科のプロといっしょに口臭を予防して、爽やかなお口ですごしましょう!