アマルガムをご存じですか?

皆さんはアマルガムという言葉を聞いたことはありますか?名前自体をあまり聞いたことがない方も多いかと思います。

アマルガムとは、虫歯の治療に使われている銀歯の一種です。見た目は金銀パラジウムと同じように見えますが、含まれている成分が異なります。

アマルガムの歴史と特徴

19世紀前半からフランスで使用されていたもので、1990年頃までは日本でも歯科治療の材料として広く取り入れられていました。アマルガムは【歯科用水銀アマルガム】の略称で、40~50%が水銀を含む金属、5%が銀、9%がスズ、6%が銅と少量の亜鉛で作られています。ご存じの方も多いと思いますが、水銀には毒性があり人体に悪影響をもたらします。

その上、少しずつ体内に蓄積されていく性質もある物質のため、健康被害に繋がるのも事実です。

歯科用のアマルガムに含まれている水銀は無機水銀と呼ばれており、水俣病などで知られている有害なメチル水銀とは性質が異なります。

無機水銀は以前は安全なものだと認識されていましたが、近年では様々な症状と関係していることが判明したため危険性が高い材料だと考えられています。日本でも2016年に保険適用から外れてからは治療に用いられなくなりました。

アマルガムが出す水銀蒸気の危険性

水銀は、金属の状態で人体に入っても毒性は低いと言われています。しかし、蒸気の状態で呼吸器系から吸収すると毒性が高く、低濃度であったとしても慢性的に吸収していると中毒症状が起きる可能性が高まります。

歯科治療で使用されているアマルガムは金属状態の水銀のため、中毒性の心配は少ないと考えられていましたが、近年ではアマルガムを詰めるときや除去するときに水銀が蒸気となって放出されることで病気や体調不良の原因に繋がるなどと指摘されています。

よって、アマルガムが口腔内にあるからと言って直ぐに除去をすれば安全というわけではありません。アマルガムは刺激で多くの水銀蒸気を排出してしまうため、除去すること自体をリスクとして考えなくてはならないのです。

銀歯にはさまざまなリスクが多い

このように、アマルガムも金銀パラジウムも皆さんがご存じの「銀歯」には様々な危険が伴います。銀歯は保険診療での治療が可能な点や、金属で強度がある点はメリットなことではありますが、一方で歯だけではなく体全体に悪影響を及ぼす危険性が高いものです。

訪れた医院によっては取り扱っている材料の種類も異なりますが、もし歯や体への安全性を大切にしたいと考えるのであれば、治療の前に医院と相談したうえで治療の選択をされることをオススメします。