フッ化物配合の歯磨き粉の選び方
フッ化物は、虫歯予防に非常に効果的な成分として知られています。歯磨き粉にフッ化物が配合されていることで、虫歯の発生を防ぎ、歯の健康を守る助けになります。しかし、フッ化物配合の歯磨き粉は種類が豊富で、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。本記事では、フッ化物配合歯磨き粉の選び方について詳しく説明し、推奨されるフッ化物濃度や種類についても解説します。
フッ化物の種類
歯磨き粉に含まれるフッ化物には、いくつかの種類があります。それぞれのフッ化物には特徴があり、効果的な虫歯予防が期待できます。以下に、主なフッ化物の種類を紹介します。
1. フッ化ナトリウム (NaF)
フッ化ナトリウムは、最も一般的なフッ化物の形態です。効果的にエナメル質を強化し、酸に対する抵抗力を高めます。また、再石灰化を促進することで、初期の虫歯を修復する働きもあります。
2. フッ化第一スズ (SnF2)
フッ化第一スズは、歯の再石灰化を助けると同時に、抗菌作用も持っています。そのため、歯肉炎や歯周病の予防にも効果的です。ただし、一部の人にとっては味や感触が好まれない場合があります。
3. モノフルオロリン酸ナトリウム (MFP)
モノフルオロリン酸ナトリウムは、フッ化ナトリウムと同様にエナメル質の強化に寄与しますが、少し異なる化学構造を持っています。口腔内での持続時間が長く、より長時間にわたって効果を発揮することが特徴です。
推奨されるフッ化物濃度
フッ化物配合の歯磨き粉を選ぶ際に重要なのが、フッ化物の濃度と量です。フッ化物の濃度は、ppm(parts per million)で表され、推奨基準が2023年1月より変更されました。
5歳までのフッ化物推奨濃度
5歳までの子どもは、900ppmから1,000ppmのフッ化物濃度が推奨されており、使用量が年齢によって変わってきます。子ども用の歯磨き粉を選ぶ際には、年齢に応じたフッ化物濃度のものを選び、量や使用方法を守ることが重要です。
年齢 | フッ素濃度と使用料 |
歯が生えたて~2歳 | 900~1,000ppmの歯磨剤を1~2㎜程度(米粒程度) |
3~5歳 | 900~1,000ppmの歯磨剤を5㎜程度(グリーンピース程度) |
6歳以上のフッ化物推奨濃度
6歳以上は、1,500ppmのフッ化物濃度が推奨されています。5歳以下と同じで、量や使用方法を守ることが重要です。
年齢 | フッ素濃度と使用料 |
6歳以上 | 1500ppmの歯磨剤を1.5㎝~2㎝程度(歯ブラシ全体) |
歯磨き粉の選び方のポイント
フッ化物配合の歯磨き粉を選ぶ際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
1. 自分の口腔状態に合ったものを選ぶ
口腔内の状態は個々に異なるため、自分の口腔状態に合った歯磨き粉を選ぶことが大切です。例えば、歯肉炎や歯周病が気になる場合は、抗菌作用のあるフッ化物を含む歯磨き粉が適しています。
2. フッ化物の濃度を確認する
前述の通り、フッ化物の濃度は虫歯予防効果に直結します。6歳以上は、1500ppmのものを選び、5歳以下は900~1000ppmのものを選ぶようにしましょう。
3. 味やテクスチャーを考慮する
歯磨き粉の味やテクスチャーも選ぶ際の重要な要素です。特に子供の場合、味が好ましくないと歯磨きを嫌がることがあります。自分や家族が快適に使用できる味やテクスチャーの歯磨き粉を選ぶことが大切です。また、歯磨き粉が泡立つタイプやジェルタイプのものもあります。うがいができるかどうかも関係してきます。
4. 特定のニーズに応じたものを選ぶ
歯のホワイトニングや歯肉ケアなど、特定のニーズに応じた歯磨き粉も数多くあります。自分のニーズに応じた追加機能を持つ歯磨き粉を選ぶことで、より効果的な口腔ケアが可能になります。
当院で販売しているフッ素配合歯磨き粉
・チェックアップスタンダード
高濃度フッ化物と低研磨性処方で、効果的な虫歯予防と総合的な口腔ケアを提供する歯磨き粉です。マイルドな味と適度な泡立ちで、毎日の歯磨きを快適にし、家族全員で使用できる汎用性の高さが魅力です。
・チェックアップルートケア
チェックアップのルートケアは、高濃度フッ素とキシリトールを配合し、低研磨性で優れた虫歯予防効果を持つ歯磨き粉です。特に、根面う蝕の予防に焦点を当てており、高齢者や歯のエナメル質が薄くなっている方に最適です。やさしいフレーバーと適度な粘度で、使い心地も良好です。
・ブリリアントモアw
ホワイトニング効果を持つ歯磨き粉で、ステインの除去と濃度は下がりますが虫歯予防効果があります。低研磨性の処方により、エナメル質を傷つけずに効果的なホワイトニングが可能です。適切な使用方法で日常的に使用することで、白く健康な歯を保つことができます。
まとめ
フッ素配合の歯磨き粉は、虫歯予防に欠かせないアイテムです。自分や家族のお口の状態に合わせたフッ素の種類と濃度を選び、適切な歯磨き粉を使用することで、効果的な虫歯予防が可能になります。市販されているさまざまなフッ素配合歯磨き粉の中から、ニーズに合ったものを見つけて、健康な歯を保ちましょう。