子どもの歯にフッ化物は必要?
目次
子どもの歯にフッ化物が重要な理由
子どもの歯は、大人の歯に比べてエナメル質が薄く、むし歯のリスクが高いです。フッ化物は歯の健康を守るために不可欠な成分であり、特に成長段階にある子どもの歯にとっては非常に重要です。フッ化物は、歯のエナメル質を強化し、むし歯の発生を予防するために役立ちます。
フッ化物の働き
1.エナメル質の強化
フッ化物はエナメル質の再石灰化を促進し、虫歯菌が生成する酸に対する耐性を高めます。
2.初期虫歯の修復
フッ化物は初期のむし歯を再石灰化することで修復し、進行を防ぎます。
3.酸の生成抑制
フッ化物は虫歯菌の活動を抑制し、酸の生成を減少させる効果があります。
フッ化物の適切な使用方法
フッ化物を効果的に利用するためには、適切な使用方法を守ることが重要です。以下に、子どもの年齢や状況に応じたフッ化物の使用方法を説明します。
フッ素配合の歯磨き粉
使用開始年齢
歯が生え始めたら、フッ素配合の歯磨き粉を使用することが推奨されます。
適量
2歳未満の子供には米粒大、3歳以上の子供には豆粒大の量を使用します。6歳以上になると歯ブラシ全体に歯磨粉をだして使用します。
フッ化物濃度
歯が生えてから5歳までは1000ppm、6歳以上は1500ppmが推奨濃度となります。
歯磨き粉のテクスチャー
泡立つタイプ、ジェルタイプと歯磨き粉によってテクスチャーが違います。泡立つタイプだとうがいができる子どもでないと使用できません。ジェルタイプのものは歯磨き後に塗り込んでうがいが要らないものもあります。使い方や生活に合ったテクスチャーを選び、日々のホームケアで継続しやすいものを選ぶと良いでしょう。
ブラッシング方法
歯をブラッシングし、歯磨き粉を飲み込まないように注意します。ブラッシング後は、しっかりと水で口をゆすぐことが大切です。
フッ化物洗口液
使用開始年齢
ブクブクうがいができる子どもに推奨されます。
使用頻度
毎日1回(できたら夜寝る前の歯磨きが終わった後に)、適量を口に含み、30秒から1分間洗口します。その後、30分間は飲食を避けるようにします。
注意点
フッ化物洗口液は誤飲のリスクがあるため、うがいができない子どもには使用を控え、親の監督の下で使用することが重要です。
定期的なフッ化物塗布
歯科医院で行うフッ化物塗布は、高濃度のフッ化物を歯に直接塗布する方法で、非常に効果的なむし歯予防策です。以下に、フッ化物塗布の手順とその利点を詳しく説明します。
フッ化物塗布の手順
1.歯のクリーニング
まず、歯科衛生士が歯をきれいにクリーニングします。これにより、フッ化物が歯の表面に均一に塗布されやすくなります。
2.フッ化物の選択
次に、適切なフッ化物製品を選びます。一般的にはジェル、フォーム、バーニッシュの3種類が使用されます。子どもの年齢や口腔の状態に応じて最適なものを選びます。
3.フッ化物の塗布
フッ化物を歯の表面に均一に塗布します。ジェルやフォームの場合、専用のトレーなどを使用して塗布し、数分間そのままにします。バーニッシュの場合は、直接歯に塗布します。
4.アフターケアの指導
フッ化物塗布後、30分間は飲食を控えるように指導します。これにより、フッ化物が歯の表面にしっかりと定着します。
フッ化物塗布の利点
1.むし歯予防の効果
高濃度のフッ化物が歯のエナメル質を強化し、虫歯菌の活動を抑制するため、むし歯の発生を効果的に予防します。
2.安全性
歯科医院で行うフッ化物塗布は、安全性が確立されており、専門家の監督の下で行われるため、過剰摂取のリスクは低いです。
3.簡便性
フッ化物塗布は短時間で完了し、痛みもないため、子どもにとってもストレスの少ない処置です。
4.長期的な効果
定期的にフッ化物塗布を受けることで、長期間にわたってむし歯予防効果が持続します。
フッ化物塗布後の注意点
フッ化物塗布後にはいくつかの注意点があります。これらを守ることで、フッ化物の効果を最大限に引き出すことができます。
1.飲食の制限
塗布後30分間は飲食を控えることで、フッ化物がしっかりと歯に定着します。
2.ブラッシングの継続
歯医者で高濃度のフッ化物を塗布したからと言って安心してはいけません。毎日のブラッシングとホームケアでフッ化物入り製品を欠かさず継続しようすることが大切です。特に就寝前のホームケアは重要です。
3.定期検診
定期的な歯科検診を受け、高濃度フッ化物塗布を定期的に継続することで、むし歯の進行具合を抑えさせることができます。
まとめ
フッ化物は子どもの歯の健康を守るために非常に重要な成分です。ホームケアで適切な使用方法を守り、歯科医院で定期的な高濃度フッ化物塗布を受けることで、むし歯のリスクを大幅に減少させることができます。親としては、子どもの歯の健康を守るために、フッ化物の正しい使用を心がけ、定期的な歯科検診を受けさせることが大切です。